大西脳外科クリニック

大西脳外科クリニック

顔の痛みとけいれんに対する外科治療

神経減圧手術についてのご紹介

髙橋医師が専門とする「神経減圧手術」について、治療実績とともにご紹介します。



三叉神経痛に対する神経減圧手術について

三叉神経痛は、顔面に突然電撃が走るような激しい痛みが生じる病気です。
洗顔、歯磨き、食事、会話といった日常のささいな動作が引き金となり、患者さんの生活の質(QOL)を著しく低下させることがあります。

小脳の動脈が三叉神経(顔の感覚神経)を圧迫することにより痛みが生じる病気ですが、多くの場合、まずは薬物療法(カルバマゼピンなど)で痛みのコントロールを試みます。しかし、効果が不十分になったり、眠気やふらつきといった副作用で使用継続が難しくなったりする場合には、根本的な治療法として手術が有効な選択肢となります。

「顔の痛みとけいれんの専門外来」と手術実績の増加

当院では、三叉神経痛や顔面けいれんの診断・治療に特化した「顔の痛みとけいれんの専門外来」を2023年より開設いたしました。専門外来の開始以降、ご相談いただく患者様が増加しており、手術件数も増えています。2024年には年間17例の手術を行いました。

過去5年間で、髙橋医師が執刀医として担当した三叉神経痛の手術は累計で24例にのぼります。

患者さんの背景 手術を受けられた方の平均年齢は59歳で、58%が女性でした。
主な症状と経緯 ほぼ全ての患者さんが頬(ほほ)や上顎(うわあご)に電撃のような激しい痛みを感じておられました。多くの方は、まずカルバマゼピンによる内服治療を開始されましたが、薬の効果が薄れたり、副作用が強くなったりしたため、手術を決断されています。発症から手術までの期間は平均で38ヶ月(約3年2ヶ月)でした。
痛みの原因 1例(静脈)を除いた96%の患者さんで、脳内の上小脳動脈(じょうしょうのうどうみゃく)という血管が、三叉神経を圧迫していることが痛みの直接的な原因でした。



手術方法:より負担の少ない低侵襲手術へ

当院で行う手術は、神経を圧迫している血管を移動させて圧迫を解除する方法が基本です。痛みの原因となっている血管(主に上小脳動脈)を慎重に神経から剥がし、移動させて圧迫を取り除きます(1例を除くほぼ全例で実施)。

さらに、患者さんの負担をより少なくするため、2024年からは、より小さな切開で行う低侵襲手術を導入しています。具体的には、耳の後ろの皮膚切開を約4cmにとどめ、頭蓋骨に開ける穴も直径約2cmのキーホール(鍵穴)と呼ばれる小さなものにする手法です。これにより、従来法に比べて筋肉や骨へのダメージを最小限に抑えることができます。

この低侵襲手術の導入により、手術時間も大幅に短縮されました。従来(2023年まで)の平均手術時間218分(約3時間40分)に対し、低侵襲手術では平均121分(約2時間)と、約44%の時間短縮を実現しており、患者さんの体への負担軽減と早期回復につながっています。



髙橋医師が執刀した手術の治療成績(過去5年、24例)

痛みの改善 低侵襲手術により、96%の患者様で術後に痛みの消失が得られております。約2時間の手術と約1週間の入院で治療が可能です。
合併症・リスク 安全性には最大限配慮しておりますが、手術にはわずかなリスクが伴います。過去5年間(24例中)の実績では、術後に聴力障害(聞こえにくさ)をきたした方が1例、術後の髄液漏(脳脊髄液が傷から漏れる状態)により、漏れを止めるための再手術を要した方が2例おられました。
再発について 手術により96%の患者さんの痛みが術後に消失しましたが、その22例の消失例の中で、2例(約8%)で術後半年ほどで痛みが再発し、追加の麻酔治療(神経ブロック注射)を行いました。

過去5年間の三叉神経痛の手術症例数


三叉神経痛手術の手術時間(分)



手術による痛みの改善効果(%)


髙橋 賢吉

脳神経外科部長

  • 脳腫瘍・頭蓋底外科センター長
  • 脳血管内治療科部長
  • 手術部長
  • 救急部長

髙橋 賢吉

たかはし けんきち Takahashi Kenkichi

所属診療科

脳神経外科

 ご相談ください


三叉神経痛のつらい痛みでお悩みの方、内服治療の効果が乏しいと感じている方、薬の量が増えたり副作用にご負担を感じたりしている方で、手術治療をご検討されている場合は、ぜひ一度、当院の「顔の痛みとけいれんの専門外来」にご相談ください。
髙橋医師が、患者さん一人ひとりの状態やご希望をおうかがいし、手術のメリット・デメリットを含めて最適な治療法をご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。


「顔の痛みとけいれんの専門外来」 *毎週月曜日の終日
予約なしで診察いたします。
受付で専門外来受診希望とお伝えください。

顔面けいれんに対する神経減圧手術について

顔面けいれんは、片側の顔の筋肉(目元や口元)が自分の意思とは関係なくピクピクとけいれんする病気で、初期にはまぶたのピクつきから始まり、徐々に口元や頬へと広がることが多いです。このけいれんが頻繁に起こるようになると日常生活に支障をきたし、患者さんの生活の質(QOL)を著しく低下させることがあります。

小脳の動脈が顔面神経を圧迫することによりけいれんが生じる病気ですが、多くの場合、まずは薬物療法(カルバマゼピン(商品名:テグレトール)など)やボトックス注射(筋肉を麻痺させる注射)でけいれんのコントロールを試みます。しかし、効果が不十分であったり、眠気やふらつきといった副作用で使用継続が難しくなったりする場合には、根本的な治療法として手術が有効な選択肢となります。

「顔の痛みとけいれんの専門外来」と手術実績の増加

当院では、三叉神経痛や顔面けいれんの診断・治療に特化した「顔の痛みとけいれんの専門外来」を2023年より開設いたしました。専門外来の開始以降、ご相談いただく患者様が増加しており、手術件数も増えています。2024年には年間17例の手術を行いました。

過去5年間で、髙橋医師が執刀医として担当した顔面痙攣の手術は累計で26例にのぼります。

患者さんの背景 手術を受けられた方の平均年齢は52歳で、69%が女性でした。76%の患者様は、明石市外(淡路市、姫路市、神戸市等)から来られていました。
主な症状と経緯 全ての患者さんが目と口の周りの片側の筋肉のけいれんを認めました。多くの方は、内服治療は効果がなく、20%程度の方はボトックス注射も試されましたが効果が乏しいため手術を決断されています。発症から手術までの 期間は平均で56ヶ月(約4年8ヶ月)でした。
痛みの原因 手術で確認したところ、77%の患者さんで「小脳動脈」、33%で「椎骨動脈」が顔面神経を圧迫していることがけいれんの直接的な原因でした。



手術方法:より負担の少ない低侵襲手術へ

当院で行う手術は、神経を圧迫している血管を移動させて圧迫を解除する方法が基本です。痛みの原因となっている血管(主に上小脳動脈)を慎重に神経から剥がし、移動させて圧迫を取り除きます(1例を除くほぼ全例で実施)。

さらに、患者さんの負担をより少なくするため、2024年からは、より小さな切開で行う低侵襲手術を導入しています。具体的には、耳の後ろの皮膚切開を約4-5cmにとどめ、頭蓋骨に開ける穴も直径約2cmのキーホール(鍵穴)と呼ばれる小さなものにする手法です。これにより、従来法に比べて筋肉や骨へのダメージを最小限に抑えることができます。

この低侵襲手術の導入により、手術時間も大幅に短縮されました。従来(2023年まで)の平均手術時間218分(約3時間40分)に対し、低侵襲手術では平均114分(約2時間)と、約48%の時間短縮を実現しており、患者さんの体への負担軽減と早期回復につながっています。



髙橋医師が執刀した手術の治療成績(過去5年、26例)

けいれんの改善 低侵襲手術により、93%の患者様で術後にけいれんの消失が 得られています。現在では約2時間の手術と約1週間の入院で治療が可能です。
合併症・リスク 安全性には最大限配慮しておりますが、全ての手術にはリスクが伴います。過去5年間(26例中)の実績では、術後に聴力障害(聞こえにくさ)をきたした方が1例、軽度の顔面麻痺が1例、感染により再手術を要した方が1例おられました。
再発について 手術により92%の患者さんのけいれんが術後に消失し、再発をきたした方はおられません

過去5年間の顔面痙攣の手術症例数


顔面痙攣手術の手術時間(分)



手術による痛みの改善効果(%)


髙橋 賢吉

脳神経外科部長

  • 脳腫瘍・頭蓋底外科センター長
  • 脳血管内治療科部長
  • 手術部長
  • 救急部長

髙橋 賢吉

たかはし けんきち Takahashi Kenkichi

所属診療科

脳神経外科

 ご相談ください


片側顔面の辛いけいれんでお悩みの方、内服治療やボトックス注射の効果が乏しいと感じている方で手術治療をご検討されている場合は、ぜひ一度、当院の「顔の痛みとけいれんの専門外来」にご相談ください。髙橋医師が、患者さん一人ひとりの状態やご希望をおうかがいし、手術のメリット・デメリットを含めて最適な治療法をご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。


「顔の痛みとけいれんの専門外来」 *毎週月曜日の終日
予約なしで診察いたします。
受付で専門外来受診希望とお伝えください。